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メディア・レビュー

WebBikeWorld (www.webbikeworld.com)
Sena SMH10 フィールドテストレビュー


はじめに
Sena SMH10を「第三世代」かそれとも「第四世代」モデルと呼ぶべきかどうかという議論は別にして、この製品は正真正銘の「つかえるモノ」である。
既にレビューpart 1において、かなりの好印象を得たが、一度先入観を捨て、実際のフィールドレポートを書こうと思う。

この製品をテストグラウンドは米国ヴァージニア州。早春のある日、Senaから4台のSMH10が手元に届いた。
Sena SMH10製品フィールドテストレビュー
ヘルメットへの装着
連日行うフィールドレポートに備え、USB充電ケーブルで4台を充電する。
2台はArai XD3およびArai XDに装着、もう2台はNoran N103に装着した。
クランプブラケットはAraiのフルフェイスヘルメットにしっかりと収まる。およそ5分でヘルメットの下エッジ部分の内部にブラケットを取り付け、マイクの位置をあわせ、2.5inアレンキーでしっかりと固定した。

マイクのアーム部分は18cmあるため、かなりゆとりがある。ライダーの好み、使い勝手、または他のアクセサリーの関係でヘルメットのやや前方に装着する人や、後部に装着したい人もいるだろうが、自由に位置を調整できる長さだ。

また、マイクの通話側には、小さな三角形マークがあり、通話をする側の位置を確認することができる。また、通話をしない側には小さな突起があるので、触っても確認可能である。

左右スピーカーを各自の頬の形状にあわせてすっきりと、かつしっかりとした装着を調整した。この調整は比較的に容易に行うことができるが、じっくりと行った方が良いだろう。
スピーカーの裏側にはフック部分があり、この部分を数分かけて耳の位置との関係を調整することに費やし たい。ヘルメット内部構造はメーカーにより異なるので、音声テストはじっくり時間をかけて行うことにより、後に音質、ボリュームの調整が容易になる。

これまでかなりの数のモーターサイクル通信システムを組み立てきたが、Senaの本製品はデザイン、クオリ ティ、装着感において最高点をつけたい。
Sena SMH10製品フィールドテストレビュー
周辺機器とのペアリング
この製品の設定および使用はとてもシンプルで使いやすい。

最初にGermin zumo 660とのペアリングを行ったが、とても簡単であった。Sena SMH10のPhone ボタンを5秒間押し続けると赤と青のLEDが点滅し、ペアリングモードになる。Zumoから検索すると2秒以内にお互いを認識し、接続するとペアリングが完了した。
その後2、3秒待機すると、SMH10からビープ音が聞こえる。これでzumo(Bluetooth モジュール受信機)経由でMP3を最高品質で再生できるようになった。

別のArai XDヘルメットに装着したSMH10とのペアリングも同じくあっという間にペアリングが完了した。しかし相手機器によってはマルチシステム環境にうまく対応しないことがあるので、事前にペアリング状態を確認しておくことが重要だ。

BMW Navigator III+とのペアリング接続もあっという間に完了し、問題なく通信を行えた。
HTC Touchシリーズもペアリングがうまくいかない場面に遭遇することも少なくないが、Sena SMH10とのペアリングは問題なく行えた。Stereo HeadsetおよびHandsfreeをオンにすることにより、音楽を楽しみながら、電話着信時に通話を行い、また終了することができた。

ただし、ZumoをホストとしてSMH10 - Zumo - HTC Touchというペアリングを行ったとき、通話開始、 着信通話、および通話終了までは問題なかったが、通話終了後、または通話拒否時にペアリングの調子が良くなかった。
この通信がとぎれとぎれになるような現象は同じ帯域を他の無線機器と共有しているときにおこるもので、 今回の検証においてはHTCとZumoとの組み合わせ時にのみ発生した。

現在までに4つのBluetoothアダプタとのペアリングおよび音声再生を実現した。AKE BTD-302 Bluetooth Adapter、Chatterbox iCombi AG-12 Bluetooth Adapter、Camos BH-200M Bluetooth Adapter、Diminutive Rocket Fish MBT30の4台だ。

携帯電話端末:HTC Touch、Kyocera X-tc LG5500、LG LX165 Motorola i335、との接続は問題なくペアリングおよび動作を確認した。

ペアリング手順はすべてビープ音、およびLEDの点滅で確認できる。ヘルメットをかぶったままで、簡単に操作できる。

切断後、120秒間ペアリングモードで待機を続ける。その後Blue LEDが点滅し、スタンバイモードに切り替わる。
Sena SMH10製品フィールドテストレビュー
オーディオ
最初に使い始めた頃と、1ヶ月間使ってみた後と評価はかわらない。すばらしいの一言である。

この重くて大きなスピーカーは最高のパフォーマンスを見せる。再生周波数帯域等の細かいスペックはわからないが、いままでこのスピーカー内蔵のヘルメットを試した人々からは最高の賞賛を得たことは確かだ。

とても良い比較対象となったのがArai XDおよび Noran N-103につけた場合だ。Arai製のヘルメットは内部がとても静かなので、音量もとてもちいさくあわせるだけで良かった。しかし、細部にわたる音を忠実に再現するという面で少し欠けていた。対照的にすばらしい音響効果を内部にもつNoran N-103のサウンドエクスペリエンスは、私の仕事場にあるAKEハイサウンドヘッドセットを彷彿とさせた。

これらのヘッドセットは、インイヤー式イアフォンや、ヘッドフォンのような音質クオリティを持っていると言えるだろうか。おしいが、まだそこまでは及んでいないというのが正直な感想だ。
しかし、イヤフォンを装着せず、あえてこの高音質ヘッドセットを選ぶ理由はライダーが最も高い優先順位に持っていくべき条件、安全運転ということを念頭において、音楽を楽しみながらも、同時に周囲の音にも気を配ることができるように設計されているからだ。
Sena SMH10製品フィールドテストレビュー
ロードレビュー
インターコム通信距離:全4台のSMH10を4種類のヘルメットを交換しながらレビューを行った。
それぞれのヘルメットでの使用感を含め、色々な周辺機器とのペアリングを行うことにより、有意義なレビューを行えたと思う。
今回はヴァージニア州の平野から山岳地帯を走行した。標高の大きな変化、カーブ、ジグザグ、上り下りの 連続であるオタワバレーから高地でのテスト。通信距離は750mから1000m。
そう、約1Kmの通信距離を実現したのだ。有名な400番台のまっすぐにのびたフリーウェイではさらに長距離で通信が可能であった。
通信の品質に関しては、天候の変化にほとんど影響を受けず、長距離の通信でも、音質に変化は見られなかった。様々な電波が飛び交う市街地での走行、急坂、連続した上り下り、500mの標高変化をテストした。

ヴァージニアからウェストヴァージニアへの山岳地帯をテストした結果、通信がとてもしっかりと維持されるということを味わった。2〜3コーナー先を先頭のバイクが走行していても、全く問題なく通信が行えたのだ。
リンクが切れる直前まで、とても良い通話品質を保ち、他の製品と比較してもすばらしいクオリティを証明した。
大抵のBluetooth製品は、リンクが悪くなると、通話にノイズが入ったり、とぎれとぎれになるが、 SMH10の場合は、通信が切断される間際まで良い音質を保ち、リンク切断後も8秒おきにビープ音をならしながら、再接続を試行し続ける。不意の通信切断が生じても再接続の心配は不要のようだ。
Sena SMH10製品フィールドテストレビュー
音声品質: 音声はすばらしく明瞭だ。強力FMトランスミッターの音声品質と同等といっても大げさではない。自動ゲイン調節機能により、外部ノイズレベルの変化にうまく対応し、安定した音質を保った。音量を調節したいときも、大きくてまわしやすいジョグダイヤルを回すだけだ。

BMW F800GSのツーリング用スクリーンが作り出す風がAraiのヘルメットのAirベンチレーターから入り込んで大きな風切音を作り出しても、問題なく会話をすることができた。得に大声を上げる必要はなく、ささやき声でも、問題なく明瞭に聞き取ることができた。すばらしい。
Nolan N-103ヘルメットは、より良い内部オーディオ品質を実現しているため、Araiのヘルメットに比べて入り込むノイズが多い。そのため、ジョグダイヤルによってボリュームを調整する必要がある。 ボリュームを上げるとかなり大きな音がでるので、気をつけたい。
マルチペアリング:マルチペアリングはとても簡単だった。全4台のSMH10は、どの機器同士でも通話を行うことができる。2台間での通信距離は前述の通り約1kmだが、A-B-C-Dと数珠つなぎで走行する場合、それぞれの機器間をあわせると、さらに長距離の通信が実現する。
大勢でツーリングをするとき、先頭と最後尾の車両およびその中間に渡しておけば、万が一グループが離ればなれになってしまったときに役に立つであろう。そしてオフロードイベント時にも間違いなく活躍するに違いない。
Sena SMH10製品フィールドテストレビュー
その他の観察:Nolan N-103にヘッドセットを取り付けるため、同梱品の両面テープを使用した。しかし、2日間ではがれ落ちてしまった。ヘルメット自体に傷が残らなかったことが不幸中の幸いだが、正直がっかりした。しかし薄っぺらな3Mの両面テープのみが必ずしも悪かったとは思わない。むしろNolan- N-103の独特な固くて滑らかなシェル部分には、通常の両面テープでは接着するのが困難だといえるだろう。
本体部分と、ブラケット部分が別々のパーツで構成されていれば、様々な製品(ヘルメット)に取り付けることが可能であったと思われる。個人的にはモジュラー部分が取り外し可能で、モジュールのみをアップグレードまたは修理できるようなスタイルが理想だと思う。

2010 Sena Bluetooth intercom 評価シート

機 能 評 価 コメント
パッケージ Excellent シンプルな梱包、プラスチックシェル内にシステムがきれいに並び、段ボールの二重構造になっている。
デザイン Excellent 他社のヘッドセットよりも多少大きめ。
しかしスタイルおよび丸みを帯びたデザインは魅力的で、違和感を覚えるようなデザインではない。
実用性 Excellent to
Outstanding
この製品の品質、強度、またパーツ一つ一つすべてがすばらしい作り。
個人的にはモジュールを別売りで販売してほしい。
マイクロフォン部分も、長時間の酷使にも耐え、しっかりとした作りである。
機能性および
パフォーマンス
Outstanding Sena社の本製品は、いままで評価したBluetooth機器の中で一番良い製品である。
インターコム Outstanding 他機器との接続性、音質、通信距離、どれをとっても申し分なし。
マルチユーザー接続 Outstanding 合計4台の機器とのネットワーク接続が可能。
”Last-in First-out”の法則により、最後につないだ機器は1回のタップでつなぎ、その前の機器は2回のタップで、というルールがある。
Bluetooth通信規格による1:1の通信により、4台同時通話は不可能だが、4台とのペアリングにより、とても簡単にお互い通信ができるのは魅力的である。
オーディオ入力
および操作
Outstanding Headset、Hands-Free、A2DPプロファイルによりワイヤレスオーディオが可能。AVRCPに対応しているオーディオ機器であれば、リモート操作も可能。
ケーブル3.5mmステレオ入力ポートも製品本体についている(AVRCP未対応)
オーディオ共有機能 not available 残念ながら全二重インターコム以外に、オーディオ共有機能なし。
タンデムライド時にオーディオを共有できたら魅力的だと思う。
互換性 Outstanding 手元にあるありとあらゆるBluetooth機器とのペアリングを確認できた。
オーディオ関連のプロファイルを網羅し、特にオーディオ制御を行うプロファイル(AVRCP)にも対応している。
検索、ペアリング、デバイス切り替えがとても速い。
オプション not available バッテリーは取り替え不可能だが、走行中、または外部電源から充電可能。
フィット感 Excellent 比較的大型のマイクセット、およびオーディオ入力ポートを支えるため、マウントブラケットは大きめ。そのために自分が理想とする位置よりすこし下部に取り付ける形になる。
しかしそのことは全く気にならず、ハイネックのジャケットを着ていても、邪魔に感じることはなかった。今のところ、色々な種類のヘルメットにうまくフィットしている。

スピーカーは、他社製よりも比較的大型だが、取り付けやすく、スピーカーコードも十分な長さがある。個人的にはヘッドセットからマイクロフォンが取り外せる仕様になっていればさらに良いと思った。
同梱の両面テープはあまり使い物にならない。
初期設定および
各種設定
Outstanding とても簡単な操作で設定が完了する。
マニュアルをあまり読まなくても、ボタンをいじっているだけで、ほとんどの設定方法を把握できた。 他機器とのペアリングも、ある特殊な機器をのぞき、ほとんどの場合一回で完了した。
最新のBluetoothヴァージョンなので各種操作がより快適に、シンプルになった。
簡単操作 Outstanding 電源にさして充電する。
ブラケットでヘルメットに取り付け、両側のボタンを押して電源オンにする。 ジョグダイヤルおよびPhoneボタンのみですべての操作を行う。どちらか一方もしくは両方を押す。各種操作を1、2度行えば後は直感的に路上でも操作ができるようになるだろう。
ビープ音で様々な設定通知を行うので、とてもシンプルに設定が把握できる
電源 Excellent この点に関しては少し不満が残る。 バッテリーの取り外しできないので、交換が不可能。
連続8時間使用が可能。複数の機器とのペアリングおよびフルに活用した場合でも、6時間以上の使用が可能。
電源が少なくなると、小さなビープ音で通知、ACアダプタの使用で60~90分の充電、USBケーブルを使用しての充電はそれのおよそ倍の時間。

電源アダプタは公称1.0Aで5V。ACアダプタの取り付け口をかえることにより各国の電源仕様にあわせることが可能。シガレットライターからの電源も供給 可能
信頼度 Excellent to
Outstanding
この点に関しては、さらに長期にわたり、検証を続けてから再度評価を行いたいが、今のところ問題は生じていない。
メンテナンス
およびサポート
Excellent Sena社の技術サポートが迅速に対応してくれる。
価格 Outstanding 破格の値段である。躊躇せずにすぐに買うべし。
価値 Outstanding デザイン、機能、実用性、およびパフォーマンスにおいてすばらしいバランスを保っている。特にパフォーマンスはすばらしいと言える。
自分が欲しいと思うアクセサリー機能が充実している訳ではなかったが、今回の評価レビューにおいて、Bluetoothシステムにおけるすばらしい価値を見いだすことができた。
結論
ライダーが2人、ヘルメットが2つ、バイクが2台という状況において、スタンドアローンBluetoothシステムにまさる通信機器はない。
現在の市場にでている様々なBluetooth機器の機能はすばらしいが、やはり一番大切なのは通信性能だ。この点においてSena SMH10は群を抜いている。

細かな点をつつけば、付属品の両面テープが弱すぎる点等がでてくるが、その他は申し分ない。
つまり、いまのところ、私の中ではSMH10が新チャンピオンだということだ。今後も多くのBluetoothヘッドセット機器を検証レビューを行っていくが、Sena SMH10は間違いなく次世代チャンピオンへのハードルを高く押し上げた、というのが私の総評だ。

原文:『webBikeWorld.comSENA SMH10』http://www.webbikeworld.com/motorcycle-intercoms/sena-smh10-intercom/
 

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