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メディア・レビュー

WebBikeWorld (www.webbikeworld.com)
Sena SMH10 製品レビュー


はじめに
私たちは、SENA SMH10の検証を先週行った。そのとき、ようやくモーターサイクル通信業界への新たな 夜明けを目にした。

3年前、私たちが手にしたBluetoothの通信デバイスは色々複雑なボタン操作が使いづらく、結局家に放置 してしまう結果となった。
次に登場した、私たちが「第二世代」と呼んでいるモデルは、多少シンプルな操作性を実現したが、市街地 走行スピードより速度を上げると、とたんに音質が悪くなり、実用の範囲外であった。

そして、いま私たちが手にしているのが、高品質な「つかえる」モーターサイクル インターコムである。 いままで私たちがレビューしたモーターサイクルインターコム記事のほとんどが、どの機能がうまく動作しないか、その問題に対処するための「裏ワザ」集のような記事ばかりであった。
しかし今回登場した次世代インターコムは、楽しんでレビューを書くことができた。

この製品は、梱包から開封してほんのわずかな操作でペアリングが完了する。しかも、相手を選ばず、GPS, MP3, iPodsだろうが何だろうがとにかくペアリングが成功するのだ。
これらすばらしい改善を見せたデバイス(Interphone F4, Scala Rider G4, Sena SMH10等)を我々は 「第三世代」モデルと呼んでいる。
しかしながら、このSena SMH10こそ、私たちに大きなひらめきを与えた。簡単操作性において、この製 品はモーターサイクルインターコム機器界で最高のパフォーマンスを見せたからだ。
WebBikeWorld Sena SMH10
モーターサイクル通信システム製造メーカーとしてInterphone, Scala, Midlandなどは有名だが、Senaは全 くの無名であった。
しかし、実際この会社の製品は知らずに私たちの生活に関わっている可能性がある。Senaは外付型/内蔵型 デバイスサーバーを製造、また工業用Bluetooth機器メーカーだ。
特に、通信アプリケーション、リテールPOS業界、FA業界, 医療機器業界等で活躍するBluetoothシリア ル変換アダプター、BluetoothLANアクセスポイント機器を世に送り出している。

Senaはいわゆる”M2M”(Machine to Machine通信)メーカーとして知られている。Senaの顧客はたいてい 他分野の製造メーカーで、彼らの機器システムを改良するために、Senaの製品が用いられるケースが多い。 実際,4年連続でM2M magazine誌のトップ100 M2Mテクノロジープロバイダーに選ばれているのだ。

なるほど、しかしいままで機械と機械間の通信を専門に扱ってきたメーカーが、モーターサイクルおよびそのライダーが扱う通信機器に関して正しい勘所はあるのだろうか。そのような不安は、今回の製品を知る につれて解消した。
WebBikeWorld Sena SMH10製品レビュー
Sena SMH10モーターサイクルBluetoothインターコムシステム
偶然にも、Sena SMH10およびScala Rider G4インターコムシステムが24時間以内にほぼ同時に手元に届いた。比較レビューをしたいところだったが、これら2つの機器の対象ユーザーが異なることがわかった。

読者に少しでも多くのレビューをお届けしたいので、まず全編は、基本レビューを、そして後編ではエレクトロニクス機器に通じた弊社スタッフが、米国の路上にて数週間かけて実用した詳細レビューを送る。

まずぱっと見、気になる部分はその大きなサイズである。追加された機能につれサイズも大きくなるのは必 然である。しかし、グローブを着用してモーターサイクルを運転するライダーにとってこれは逆に操作面で 有利な点と言えるかもしれない。
WebBikeWorld Sena SMH10製品レビュー
Sena SMH10主要機能

まず、一番すばらしいと思えるデザインは、ボタンがたった一つしかない、ということだ。このM2Mメー カーはモーターサイクルインターコム業界に旋風を入れた。画像を見てほしい、一つしかボタンが見当たらないのだ。

このボタンは”Phone Button”という。実際の操作ではペアリングを行った携帯電話の操作が主になるからだ。

ジョグダイヤルも主要な機能の一つだ。このダイヤルはインターコム機能を操作する。このジョグダイヤルは、言うまでもなくボリュームの操作であることは容易に想像できると思う。古き良き時代を思い起こす、直感的に操作可能なシンプルなインターフェースだ。

ジョグダイヤルを押すと、他のインターコム機能が選択できる。というわけで、この機器の第二のボタンと言えるかもしれない。しかし、たった2つしかボタンがついていないモーターサイクルインターコムをいままで触ったことがないような気がする。
ダイヤルがとても大きく、使い勝手が良い所がとても気に入った。ダイヤルのまわし心地も良く、回りやすいが、しっかりと移動した位置に固定される絶妙な固さだ。

このジョグダイヤルこそがSMH10のシンプルさを象徴しており、使用説明書が他メーカーのインターコム使 用説明書より薄いのが納得できる。他の機能を試す際にもいちいち使用説明書を読まずに済んだ。

このSMH10は1台につき、他の3台のSMH10とペアリングが可能だ。この操作は多少複雑なのでマニュアルを良く読む必要があるだろう。

すこし先に急ぎすぎてしまったようだ。まずは、ここ数日間さわってみて、わかった基本機能について説明したい。
簡易ON/OFF:SMH10は電源のON/OFFがとても容易だ。ボタンと、ジョグダイヤルを約2秒間押し続けると起動する。OFFの場合はさらに簡単で、ボタンとジョグダイヤルを同時に一回押すだけで、OFFになる。

音声:ステレオ、Bluetooth 2.1, Headset Profile, Hands-Free Profile(HFP), Advanced Audio Distribution Profile (A2DP), Audio Video Remote Control Profile (AVRCP)をサポート。比較的大きな音量レンジがあり、音量最小から音量最大までの範囲が広い。

VOX:VOXは使用状況に応じてオンにする。これをオンにすると、システムは約1秒後起動し、それから 通話中はオン状態になる。なにも通話がないときは、20秒後自然にスリープモードに入り、再び通話が行わ れると再起動するようになる。このモードは便利であるが、両側のSMH10をこの機能オンにするというこ とを忘れずに。

スピーカー:高音質スピーカーは重いものだ。10グラムのこのスピーカーはとても良い音声で、ボリュー ムをとても高く上げることが可能だ。

ペアリング:4台同時ペアリング。Bluetooth内蔵ミュージックプレイヤーとのペアリングも可。 Bluetooth内蔵でなくても、本体モジュール後部についている3.5mm入力ジャックにつなげば、音楽再生可 能だ。Bluetooth内蔵携帯電話およびGPS装置ともステレオでペアリング可能(すべてステレオ音声)。

バッテリー:リチウムポリマー。 〜12時間連続通話、10日間連続スタンバイ。MP3ミュージックプ レーヤーの再生によりさらに電力を消費するため、実際の使用時間はさらに短くなるとみておいた方が良 い。

アクセサリー:SMH10は単体もしくはペアで購入可能。同梱物はインターコムモジュール、マウントブ ラケット、スピーカー、マイク、充電器、USBケーブル、シガレットライター用充電ケーブル、スピーカー 用ベルクロ。

ヘルメットへの装着:SMH10のデザインを一言で表現すれば、「がっしり」「ごつい」もしくは「頑 丈」である。ラバーパッドが両側についており、装着時にヘルメットを保護する役目がある。少し大きめなのでヘルメットの形状によっては、おさまりが悪いかも知れない。 個人的には、「ごつくて丈夫」方が、「薄くて弱い」よりましだと思う。
しっかり固定するためのヘクススクリューを使用する。同梱の両面テープで止めるという 選択肢もある。
WebBikeWorld Sena SMH10製品レビュー
Sena SMH10を使用する

SMH10のモジュールは下部についているタブおよびヘッドセット内にあるクリップによりしっかりと固定 される。ヘッドセットとマイク部分も頑丈に接続されている。
ヘッドセットおよびモジュール部分はマットラバー樹脂加工、防滴加工が施されている。LEDライト部分は 透明な樹脂で保護されている。

ON/OFF:ジョグダイヤルおよびインターコムボタンを約2秒間押し続けると、起動する。起動時にトーン 音および青色のLEDが発光する。OFFにするには、同じボタンを一回押すだけで、直ちに終了する。これは いちいち消えたかどうかを確認しなくても良いので便利だ。

ペアリング:SMH10は他のBluetooth機器とは多少異なるペアリング手順をとる。まずシステムを起動 し、それからインターコムボタンを5秒間押し続けるとペアリングモードになる。

マルチペアリング:最大4台のペアリングが可能。しかし4台同時の通信はできない。 こういう手順になる
【ステップ1】AはB,C,Dとペアリング
【ステップ2】BはC,Dとペアリング
【ステップ3】CはDとペアリング
上記の手順で4台すべてがペアリング完了すると、ジョグダイヤルボタンを1回、2回、3回タップするこ とにより、残り3台のどれかと通信を開始できる。このマルチペアリングに関してはマニュアルを良く読 み、どのように機能するのか理解することをお勧めする。
すこし直感とずれる部分ではあるが、例えば、AがB,C,Dの順にペアリングを行うと、Aは1回タップすると Dに、2回タップするとCに、3回タップするとBと通話する。
すこしなれるまでに時間がかかるかもしれない。

携帯電話:ヘッドセットを利用した運転中の携帯電話の使用および通話は地方条例等により異なり、一般 的に勧められていないが、機能的にペアリングすることも可能だ。着信時にインターコムボタンを押すと、 通話が可能になる。またVoice Activation機能をオンにすると、そのまま会話が可能になる。
Voice Activation機能はデフォルトではオフになっているが、インターコムボタンを8秒間押し続けると、 LEDが赤に点灯し、オンになる。

VOX:この機能は前述のVoice Activation機能に類似しているが、1:1での使用を前提としているた め、4台で使用する場合は使用しない。
VOXモードを起動するには、赤いLEDが点滅するまでジョグダイヤルを5秒間押し続ける。さらに3秒間押 し続けると赤LEDが点灯状態になり、VOX設定モード状態になる。いったんジョグダイヤルから指を離し、 もう一度ジョグダイヤルをタップすると、LEDが青色に一度点灯し、設定が完了する。

通信範囲:Senaのスペックには最大900mの通信が可能であると記載されている。実際のテストで は、そのスペックと全く同じ結果が得られた。今後長距離通信においてこのSMH10は我々のスタンダード になりそうだ。

GPSおよびMP3:私たちの使用するSony Bluetoothアダプターと全く問題なくペアリングができ た。 もし相手側のミュージックプレーヤーがAVRCPプロファイルに対応しているならば、ある程度のプレー ヤー操作が可能になる。ジョグダイヤルを約1秒間おすと、ジョグダイヤルを押し回すことにより、トラック の早送り/巻き戻しが可能だ。
同梱品として3.5mmジャックとケーブルがあり、これによりワイヤレス以外の音声デバイスを接続すること もできる。
WebBikeWorld Sena SMH10製品レビュー
音声品質および音量:音質はモーターサイクルインターコム製品の中でも最高品質である。

スピーカー:SenaのスピーカーはとてもよいBassの音域を持っており、音量のレンジも広い。いままで レビューしてきたモーターサイクルインターコム製品の中でも最高クオリティである。テスト走行時どのス ピード時においても、ボリュームを最大にする必要はなかった。スピーカーはとても大きく、耳にちょうど あたる位置からすこしずらして装着する方が最高のパフォーマンスを実現できる。他の製品の場合、小さく、耳にあたる部分にできるだけ近づけなければならなかった。 この製品はイヤーポケット部分の懐が深いヘルメットであればあるほど良いパフォーマンスを引き出せると 感じる。あたかもヘルメット全体がスピーカーとして機能するような感覚になる。

充電器:Senaはシガレットソケット用の充電器をオプションとして備えている。充電時に、また走行時、つなげることもできる。
結論

モーターサイクルインターコムはこれからますます良くなっていくと感じる。それにつれてライダーに多く の選択肢を与えることになるであろう。
その際に気をつけるべき点は、「どれだけ多くの機能があるか」ではなく、「どのように機能するか」という点に注目することだ。
Senaはその点で正しい方向に舵を切った。たくさんの機能に埋もれ、ライダーが走行中にどのようにボタンを押すべきか順番に気を取られ危険に身をさらすようなものをデザインしなかった。
Senaはライダーの視点で本製品をデザインし、たった2つのボタンしか製品につけなかった。そしてなによ りも最高の音質とボリュームというライダーにとって文句のつけようがない製品を世に送り出したのだ

原文:webBikeWorld.com
SENA SMH10
http://www.webbikeworld.com/motorcycle-intercoms/sena-smh10-intercom/