設定および他機器とのペアリングはまあまあ簡単で、説明書も手順が良く説明してある。
数回LEDがピカピカ光り、機器のビープ音の後、僕のiPhoneともう一台のSMH10とつながった。全プロセスが5分以内で完了したのだ。
操作性はとてもシンプルかつ簡単、グローブをしたままでも使いやすかった。機器の後部についているボタンは電話を操作するときのボタンである。一回プッシュすると、通話開始、もう一度プッシュすると、通話終了。
側面についているジョグダイヤルはボリューム調整、インカム操作である。一秒間ジョグダイヤルを押すと、音楽プレーヤー機能が始まり、ダイヤルをまわすことにより、音楽をシャッフルする事も可能だ。長押しで音楽を停止。
無線接続以外にも、外部ケーブルにて接続も可能である。音楽再生中にインカム着信が割り込み、インカム通話中に、携帯電話着信が割り込む優先順位がついている。これで大事な電話着信も逃す事がなくなった。
ロードテスト
路上では、自分の期待以上の結果を出した。いままでは必ずいろいろな不満が実走行時にでてきた。例えば、イヤフォンのクオリティが不満だったり、Bluetooth機能がぎくしゃくしたり。
SENAのヘッドセットの場合、電源オンにするとすぐに僕のiPhoneとつながり、ボイスダイアル機能も、10回中9回成功した。僕の場合、ヘッドセットを通さなくても大抵それぐらいの成功率なのに。通話クオリティは最高、通話相手の幾人もが、自分の自動車内に搭載しているBluetooth通話セットよりも、良い音声クオリティだと言わしめたぐらいだ。
イヤフォンのサウンド品質も申し分なく、ダイヤル操作さえ覚えてしまえば、とても調子が良い。着信操作も、とても簡単で、ただボタンを一度タップするだけ。一つだけ不満があるとすれば、音声のショートラグの発生で、「もしもし」を複数回繰り返すことが何度かあった。
完全ハンズフリー機能にする「音声認識機能」もあるが、大声で「もしもーし」と叫ぶよりも、一度だけボタンをタップする方が、自分にとっては楽だ。
ミュージックプレーヤー機能も良い感じだが、電話機能の性能の良さの方が際立っている。確かにあの薄いスピーカーからでるサウンドとしては良いかもしれないが、やはりインイヤー式のイヤフォンに勝るサウンドクオリティはない。イヤフォンを取り付けるマウントキットもオプションであるので、好みに応じて使い分ける方が良いだろう。
個人的には、多少のサウンドクオリティを犠牲にしてでも、スピーカーの快適さを選択する。音楽プレーヤーの操作は大きなジョグダイヤルで行えるのでとても簡単だ。
それよりもこのヘッドセットの最高機能とも言えるのが、インカム機能である。ジョグダイヤルをポンと押すだけで2台の通信が開始する。音声品質は最高レベルであり、マイクの感度も最高である。
75mph (約120キロ/時)で走行時、バイザーを上げたときに風の音がマイクに入り、閉口したぐらいだ。オープンフェイスヘルメットの場合、この問題は顕著であろう。SENAもこの点に関して、オープンフェイスヘルメット使用時に65mph(約100キロ/時) で走行する場合の使用を勧めていない。大型フォームでマイク部分を覆っているので、それが多少の問題を防いでくれるだろうが。
私の妻は、インカムのおかげで後部シートに座る時間がもっと楽しくなったという。延々と続く単調なハイウェイを走るとき、お互いおしゃべりできるのは大きなたいくつしのぎになるというのだ。まあ、後は、「もっとスピードを落としてよ!」とヘルメット越しに大声で叫ばなくても良くなった、というのももう一つの大きな理由だと勝手に思っているけど。いずれにしても、これから妻とのロードトリップにSENA SMH10は必須のツールとなった。
総評として、このSMH10は文句なしの満点アイテムだ。これからも引き続き僕のロードテスト用ヘルメットに装着し続けることにした。要望を最後に述べるとしたら、通知表示機能が追加されれば、これからすぐに出なくても良い電話に後でかけ直すことができるのに。。。